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執筆者の写真篠崎 聡

番外編:SDM勉強会(新しいことに挑戦できる会社にするには?)

今日は、SDM勉強会です。SDMは「システム デザイン マネジメント」になります。

「システム思考」と「デザイン思考」を行き来し、深い洞察を元に問題を再定義(リフレーミング)し、「提供すべき価値」と価値を届ける「ソリューション」の創出をマネジメントする方法です。

これを実際にやってみて、学んだ方法論を腕を磨きつつ、新たな気づきを得る会です。


1週間前の生態会を報告したブログ同様、「システムデザイン」の持つ力をご紹介するために、この番外編をお届けします。


今日のSDM勉強会は「day1」

この準備として「day0」を10/10に行なっています。

リアルな課題を取り扱ったday0の続きになります。


まずは、day0の反省から。反省は以下のとおり。

・課題提供者から多くの課題意識と背景を説明いただき、課題のリフレーミングを試みた。

・結果として、組織の構造を可視化できたりした

・課題の数が多く「まず何を」解決したいのか?を特定しないままスタートしたため、リフレームも上手く進まなかったのではないか。


この反省に基づき、day1は、

・多岐にわたる課題意識の中から、1つピックアップして考えてみる。

ことにしました。


今日のお題は「新しいことに挑戦できる会社にしてください」になりました。


day0、そして生態会同様、ワークショップの設計は、天川村課題発見・解決プロジェクトメンバーの下川さんです。

下川さんより、チャレンジが発表されました。

インサイト抽出は「二軸図か親和図で」との話だったので、どちらを使おうか?との議論となり、僕としては初チャレンジの  ①「親和図」をやってインサイトを得る

 ②上記インサイトを踏まえて軸を切って「二軸図」を書いてインサイトを得る

となりました。


まずは、正しいブレーンストーミング。

「新しいと感じることって何?」をお題に、ワードを出していきます。

たくさん出て来ました。


なんで「尖閣」が「新しいと感じること」のワードとして出てくるのか?不思議かもしれませんが、思考の枠の外に出るためです。これも材料になります。


これを、親和図法でゆるく近い仲間を集めていきます。そして、グループの名前を、インサイトを含んだ形で記述していきます。赤いポストイットがグループの名前です。


皆んなでワークをし、眺めながら気づきを語り合います。

「新しいと感じること」って色々あるなぁと。

昔からあるんだけど、何かが加わって、または外部環境が変わって新しいと感じるものがあるね。

「新しい」って「希望」だけじゃなく「不安」を含んでるものもあるよね。とか。


ここで得られたインサイトから、二軸図を行うために、複数の軸の案を出していきまた。

10個の軸の案が出たのですが、上記の語り合いを経ているので、投票などは行わず、以下の2つで軸を切ることに自然と決まりました。


縦軸:キラキラ⇔ドキドキ

 キラキラ:希望に満ち溢れているもの

 ドキドキ:不安要素があるもの


横軸:古くからある⇔新しい

 古くからある:昔からあるもの  新しい:昔はなかったもの


この軸で、ワードをホワイトボードに再配置していきました。


亀田さんから「この二軸図のど真ん中を考えよう」という提案がありました。我々にSDMを教えてくださった富田先生の最新の授業で、そんな問いかけがなされたそうです。


「古くからある」と「新しい」の真ん中は、古くからあるんだけど「何か」が加わって、新しさが加わったもの。

「キラキラ」と「ドキドキ」の真ん中は、希望の中に不安が入り混じっているもの。


色々話をした後、この場所を「生まれ変わり」と名付けました。

「生まれ変わり」とは、古くからあるものに何かが加わり、変化したもの。

それは、希望と不安が入り混じったもの。という理解です。


そして、インサイトを赤で記述していきました。


お題は「新しいことに挑戦できる会社にしてください」です。


この「生まれ変わり」の場所が、とても大事だと感じました。

「少ない投資で大きな効果」が得られる、少しの新しさで、希望が見える事から始めるのが良いのでは?と思いました。

そのためには、その企業が既に持っているコアや、これから獲得するコアが大事。

だから、自分たちのコアが何なのかを見つめる活動や、「考え方の考え方を使いこなす人」を増やす活動が必要。

社員にアプローチするなら、「一つの価値観は、もはや非常識」なので、チャレンジが安全である環境を準備することも大事。

そこで小さな「生まれ変わり」が発生したなら、「新しいモノを所有する幸せ」を感じて、それがポジティブフィードバックとなって、「新しいことに挑戦できる会社」になって行くのではないか?

そうすることで、どんどん右の、更に新しい領域に進む企業になるのでは?


そんなことを話し合いました。


下川さんより、

社員にアプローチしない手段もあるのでは?との意見が出ました。

実際に「チャレンジが安全である環境を準備」したが、全く変わらなかった事例があるとの事でした。

「チャレンジが安全であっても、多くの人はチャレンジしない」ということの様です。


新たな問い

「『社員を挑戦する人間にする』という手段を無しに、挑戦する会社にするには?」

が生まれました。


現状は、上意下達の軍隊のような組織かもしれない。それはある意味強い組織。経営層が小さな「生まれ変わり」を企み、その実施を指示する形もあり、これが会社のコアを活かすことになるかもしれない。

こちらの方が即効性があるし、経営層の変化をマネージャー層や実働部隊に浸透させていく方が、社員の心の安全も担保されつつ「挑戦する会社になる」と感じました。


「会社にとって新しいことって何?」というお題でブレストからやる時間は取れませんでしたが、得るものが多いワークだったと思います。


これは、今回取り上げた企業だけの話ではない。あらゆる組織を「挑戦できる組織」にするための骨法だと感じました。

何故なら、出して来たワード(発散作業)と、分析して出たインサイト(収束作業)に、取り上げた企業の情報は一切使っていないからです。


「挑戦する組織にするには、その経営陣が『小さな挑戦』を自ら実践する事が大事」

「社員が『小さな挑戦』を行うには、自社のコアが何なのかを職場で見つめ直し、お客様が喜ぶ「+α」を加えて『小さく生まれ変わる成功体験』が必要」


この2点が、僕が得た気づきのまとめです。


天川村課題発見・解決プロジェクト含め、僕が関わる全ての組織で活用したいと思いました。


今回参加したメンバーは5名。

全員が、1週間前の生態会のワークに参加。

3名は、天川村課題発見・解決プロジェクトメンバー。

(不参加のプロジェクトメンバー1名は、海外留学中なので参加できるわけない)

という事で、我らプロジェクトのメンバーは、本当に濃いなぁ、、、と思った次第です。


以上、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

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